
2006.11.22.
BUMP OF CHICKEN
「涙のふるさと」
1.涙のふるさと
2.真っ赤な空を見ただろうか
Bonus Track
おるすばん(↑ネタバレ防止のために白字で伏せておきます。)
しっかりフラゲしました!
早速レビューを書きたいと思います♪
BUMP OF CHICKEN名義のCDとしては、昨年に発売された「supernova/カルマ」以来。
今年に入ってからは、MOTOO FUJIOKA名義の「SONG FOR TALES OF THE ABYSS」、無声映像作品「人形劇ギルド」の2作が発表され、後者には彼らのオリジナル楽曲が収録されていたが全てインストであった。
よってBUMP OF CHICKENの歌としては今年初のリリースとなる。
CDジャケットは、彼らが何も構想が無い状態からホームセンターで材料を買ってきて作ったロボ。
その製作過程は今月発売されたWHAT's IN?にも掲載されていたので、興味がある方は参照してください。
1.涙のふるさと
最初聞いたときは、「プラネタリウム」に似ている雰囲気の曲だなと思った。
ギターのキラキラとした音色やテンポが「プラネタリウム」の流れを踏まえていると感じたからだ。
だけれども、全体を通して聴いてみると紛れもない「新曲」であることが理解できた。
今までになかった新たな楽曲として、彼らの楽曲郡に胸を張って加わっている。
「ワン・ツー・スリー」のカウントから始まるイントロは、ライブ感が出ており、そこに自由に舞うギターフレーズとシンプルかつ的確なベースが目立つリフが絡んでくる。
ヴォーカルがストラトキャスターの無骨なストロークとともに始まり、そこにベースが裏のメロディを奏でるかのように加わることで曲は展開していく。
リードギターが控えめなところが前作「カルマ」との大きな違いだが、そのリードギターの放つ音色がヴォーカルの声質と融合しており、個人的にはそれがこの曲の最大の魅力だと感じた。
煌びやかさと強さを持ったギターソロの後に、BUMP OF CHICKENの楽曲でも聴き所であるCメロが添えられている。
1番Aメロのようにストラトキャスターとヴォーカルとスネアだけのアレンジから始まり、そこにリードギター、ベースがとても自然に加わる様は相変わらず美しい。
本作の歌詞は、作者・藤沢基央のパーソナルな想いに焦点が当てられているかのようにとられる。
これから出掛ける「君」の「涙のふるさと」。
そして、その先を歩む「彼」。
それらに対して、「俺」は「君」を待ちながらも、「君」のもとへ「会いに来たよ」と伝える。
彼らの楽曲郡の中で、「俺」という一人称が用いられたのは初めてのことではないだろうか。
また、この曲はLOTTE「エアーズ」のCMタイアップ曲(彼らにとって初のCMタイアップ)であり、PVの内容もそのCMと連動した作りになっている。
2.真っ赤な空を見ただろうか
例えるならば、「車輪の唄」と「カルマ」と「アルエ」を足したような楽曲。
タイトルを見ただけでは、童謡のような内容で、「睡眠時間」や「同じドアをくぐれたら」のような楽曲をイメージしてしまうが、シンプルなロックナンバー。
約4分弱という短さだが、その中にたくさんのアイデアやオカズが込められている。
イントロレスでヴォーカルとエレキギターのストロークから始まり、軽快のリズムのベース・ドラムとともに曲はサビへと向かう。
バンドの演奏はオーソドックスなBUMP OF CHICKENといった印象が強く、非常に聴きやすいアレンジになっている。
サビの直前で盛り上がり、そのままサビへと突入する流れは「オンリーロンリーグローリー」に似たものを感じる。
2番サビ後のジャムっぽい間奏は、お得意なギターソロのダビングが披露されており、「アルエ」の懐かしさが漂っている。
楽曲自体はアコースティックギター一本による弾き語りでも成り立ちそうだが、それをBUMP OF CHICKENというフィルターを通すことで、このように解釈されるということが証明されている。
歌詞の方は、個人的にはこのフレーズに全てが集約されていると思う。
「ふたりがひとつだったなら 出会う日など来なかっただろう
大切な人に唄いたい 聴こえているのかも解らない
だからせめて続けたい 続ける意味さえ解らない」
藤原基央がこの歌詞に現れる言葉を何のメタファーとして使用しているのか
は分からないが、とても強くてストレートなメッセージ性が込められているのがひしひしと伝わってくる。
3.
おるすばん2.「真っ赤な空を見ただろうか」をそのまま再生していると、8:07あたりから始まる。
Bonus Trackとしては珍しく藤原がメインヴォーカルを務めている。
もう片方のサブヴォーカルは升だろうか。
2人のヴォーカルワークが絶妙でハモリもばっちしきまっているところに驚いた。
壮大なスローバラードだが、歌詞は相変わらずおふざけ。
藤原による「Everybody, everybody has a dream」(サビのフレーズ)の熱唱っぷりが気持ち良い。
また、最後のサビはコーラスがオーバーダビングされており、クライマックスを演出している。
「supernova」とは違ったゴスペル要素が輝いており、彼らのBonus Track史上もっともテンポの遅い楽曲だろう。
<情報>
excite Musicにて特集サイトがオープン
http://ent2.excite.co.jp/music/interview/2006/bump2/index.html